内臓脂肪型肥満が認められ、かつ、高脂血症・高血圧・高血糖のうち、何れか2つ以上を併せもった状態を、メタボリック・シンドロームと呼びます。動脈硬化の危険因子が複数重なるため、心筋梗塞や、脳卒中などを発症する危険性が非常に高くなります。
肥満は、腸など腹部の臓器の周りに脂肪が蓄積する、内臓脂肪型肥満と、下腹部やお尻、太ももなどの皮下に脂肪が蓄積する、皮下脂肪型肥満に大別されます。このうち健康への悪影響が大きいのは内臓脂肪型肥満で、高脂血症や高血圧などの生活習慣病を引き起こし、メタボリック・シンドロームの原因となります。メタボリック・シンドロームの診断基準では、ウエストが男性85p以上、女性90p以上の場合、内臓脂肪型肥満の疑いがあると判定されます。(※女性のウエストサイズは、今後見直しが行われる可能性があります。)
注意1: ウエストは、おへその高さで測定します。胴体の最も細い位置ではありません。
注意2: ウエストは、立ったまま、軽く息を吐いて測定します。座ったままや、無理におなかをひっこめた状態ではありません。
おへその高さで測定したウエストサイズが、男性85p以上、女性90p以上であり、かつ、次の3項目のうち、2項目以上に該当する場合に、メタボリック・シンドロームと診断されます。
(1) 中性脂肪値:150mg/dL以上 かつ、/ または、HDLコレステロール値:40mg/dL未満
(2) 収縮期血圧:130mmHg以上 かつ、/ または、拡張期血圧:85mmHg以上
(3) 空腹時血糖値:110mg/dL以上
メタボリック・シンドロームの、おおもとの原因となるのが、内臓脂肪です。脂肪細胞は、単に脂肪をエネルギーとして蓄積するだけではなく、体の機能を調節する、様々な生理活性物質(アディポサイトカイン)をつくりだしています。内臓脂肪が増えすぎると、動脈硬化を抑制する働きのある善玉物質(アディポネクチン)の分泌が減り、他の血糖や血圧などに悪影響を及ぼす物質が、過剰に分泌されるようになります。この分泌バランスの乱れが、高血圧や糖尿、高脂血症といった生活習慣病を引き起こすとともに、動脈硬化を進行させると考えられています。
メタボリック・シンドロームを予防・改善するには、内臓脂肪を減らすことが第一です。内臓脂肪は皮下脂肪に比べて蓄積されやすい一方、減らしやすい脂肪でもあるため、少しの減量でも効果が期待できます。 内臓脂肪が減少すれば、関連する血糖や血中脂質などの検査値も、改善されます。医師の指示に従い、無理をせず、継続できるペースで減量に取り組みましょう。
これらの生活改善を、一定期間おこなっても、症状が改善されない場合は、薬による治療も行われます。